知的財産制度Q&A



PCT出願された特許を調査する方法を教えてください。

PCT出願の公開公報を調査する方法としては、WIPOのデータベース(PATENTSCOPE)を検索する方法があります。WIPOのデータベースは、日本語・英語の他、ドイツ語、フランス語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、中国語で検索が可能となります。

参考情報:PATENTSCOPE 国内特許及びPCTコレクションの検索(構造化検索)
http://patentscope.wipo.int/search/ja/structuredSearch.jsf

日本で10ヵ月前に特許出願を行いました。同じ発明について外国でも特許申請をしたいと考えております。外国にはいつまでに出願すれば良いのでしょうか。また、特許製品を販売する国が未だ決まっていません。どのようにすれば良いのかを教えてください。

日本に最初に特許出願してから1年以内であれば、その日本出願によって拒絶されることなく、外国へ特許出願することが可能です。外国に特許出願する方法は、大きく分けて(1)パリ条約による優先権を伴う出願(パリ条約ルート)、(2)特許協力条約(PCT)による国際特許出願(PCTルート:以下、PCT出願といいます。)の2種類があります。
一般的に、出願する国数が少なく、かつ出願国が決まっているのであれば、パリ条約による優先権を伴う出願をお勧めしますが、特許出願する国の特許庁に対して翻訳文を提出する必要があります。PCT出願の場合は、PCT出願時に出願する国を30ヵ月間指定する必要が無く、かつ最初の出願日から30ヵ月以内に翻訳文を出せば良いことになっております。
まだ商品を販売する国が決まっていないのなら、出願する国も決まっていないと思います。このため、翻訳文の費用及び権利化したい国が決まっていないことを考えて、PCT出願をお勧めします。

参考情報:国際出願制度についての説明(特許庁ホームページ)
http://www.jpo.go.jp/seido/s_tokkyo/kokusai1.htm

国際特許条約(PCT)に基づくPCT出願は、どの様なメリットがあるのでしょうか。

日本特許庁に対して、特許協力条約(PCT)に基づく出願を日本語(または英語)で行うことにより、加盟国に対する出願日が確保できる制度です。国際出願日から国際公開(最初の出願日から18ヵ月)の間には、特許性などの判断となる国際調査報告(ISR)が作成されます。最終的に権利を取得したい国への翻訳文は、最初の出願日から30ヵ月以内に提出することとなります。
一般的に、最初の出願日から12ヵ月以内に権利を取得したい国が決まっていない場合や、翻訳文の提出期限をできるだけ先延ばししたい場合、国際調査報告(ISR)の結果によって出願を判断したい場合などは、特許協力条約に基づく出願が有効であると考えられます。
また、台湾(中華民国)など特許協力条約に加盟していない国に対しては、国際特許条約に基づく出願が出来ないことにご留意ください。

参考情報:PCT加盟国一覧表
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/kokusai2.htm

この度、日本の特許出願を基礎とし、優先権を主張してPCT特許出願をすることになりました。優先権証明書を提出する必要があると思いますが、証明書を電子的に提出することはできますか。

PCT出願に関しては、デジタルアクセスサービス(DAS)を利用して優先権書類を電子的に提出することが可能です。

参考情報:優先権書類の提出省略について
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/shutsugan/yuusennkenn_syouryaku.htm

出願人は日本人ですが、日本に特許出願をせずにPCT出願を行うことは可能でしょうか。また、PCT出願をした案件の優先権を主張し、台湾などのPCT非加盟国に出願する場合、優先権証明書はどこから入手すればよいでしょうか。

第1国出願を日本とせず、PCTに直接出願を直接することは可能です。また、PCT出願を基礎とし、PCTに加盟していない国(台湾など)に出願する場合は、国際事務局またはPCT出願の受理官庁(受理官庁に出願した場合)に対して優先権証明書を請求します。

PCT出願は費用がかかると聞いています。国際出願費用を調べる方法を教えて下さい。

国際出願に関しては、「国際出願関係手数料」をご覧ください。尚、為替レートの関係上、国際出願手数料は随時変更されるため、手続前に逐次確認が必要です。

参考情報:国際出願関係手数料一覧(特許庁ホームページより)
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/kokuryo.htm

日本に特許出願の後、同じ内容で1年以内にPCT出願を行います。この場合、加盟国に対しても、日本への特許出願日と同じ優先日が認められるのでしょうか。

日本に特許出願の後、1年以内に優先権主張を伴いPCT出願を行う場合、優先日は日本への特許出願日となります。

2012年にアメリカの特許法が改正され、今後は発明者ではなくても出願人となれると聞きました。PCT出願の願書はどのように記載すればよいですか。

2012年9月16日以降のPCT出願は、発明者でなくてもアメリカを含む全ての国の出願人となることができます。これまでは、願書に出願人を記入する際に、出願人が法人である場合は「米国を除くすべての指定国」の出願人であると記入する必要がありました。
2012年の法改正以降は、PCT出願の出願人が法人になる場合は、「すべての指定国における出願人」を選択します。また、自然人(発明者)を米国のみの出願人として選択する必要が無くなります。

参考情報:米国特許法改正に伴う特許協力条約(PCT)に基づく国際出願手続の変更
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/usa_kaisei_pct.htm

日本に特許出願の後、同じ内容の出願を1年以内にPCT出願します。日本出願からPCT出願までの間に、日本以外の国で製品を販売し始めた場合、製品を販売した国での権利は取れないのでしょうか。

日本出願を基礎としたPCT出願であれば、新規性の基準日は日本出願日となります。PCT出願前に、PCTの加盟国の国内で製品を販売し始めても、その製品の存在によって権利が取れなくなるということはありません。なお、PCT出願の出願時には、権利を有効にしたい国を個別に指定する必要はありません。

「世界特許」とか「国際特許」という言葉を聞いたことがあります。日本で特許出願したら、世界中の国で特許権を取得できる仕組みがあるのでしょうか。

「世界特許」とか「国際特許」は、おそらく「国際特許出願(PCT出願)」のことを指していると思います。「国際特許出願」とは、一つの特許出願の書面を日本の特許庁に提出することにより、他の加盟国(PCT加盟国)でも”出願した効果”を得られる制度です。出願した効果に過ぎず、特許権としてPCT加盟国のすべての国で権利が発生する制度ではありません。
現在、日本で特許出願したら外国で特許権が発生するような制度は存在しません。

当社はベンチャー企業です。日本特許出願をABC特許事務所にお願いしました。今後海外展開するにあたりPCT出願することになりました。諏訪坂特許商標事務所では、この日本特許出願に基づいてPCT出願を日本特許庁に提出することは可能ですか。

当事務所で、別事務所で手続きした日本特許出願を基礎としてPCT出願することができます。この場合、貴社からPCT出願するための委任状が必要となります。また日本特許出願に基づいて優先権主張するため、その日本特許出願の個別委任状も必要となります。この2つの委任状をいただいて、PCT出願の打ち合わせをさせていただきます。なお、日本特許出願で開示していなかった、追加の実施例をPCT出願に加えることも可能です。

弊社が出願したPCT特許出願を他社に譲渡することになりました。PCT出願の出願人の名前も変更する必要があります。PCT出願の名義を変更するには、誰に対してどのような手続を行うのでしょうか。

係属中のPCT出願の名義変更は、優先日から28ヶ月前であれば国際事務局(WIPO)または受理官庁(日本特許庁)に対して、「名義変更届」を提出して行います。優先日から28ヶ月を過ぎている場合には、国際事務局に変更の要請を直接行うことが推奨されています。

1年前に日本を受理官庁としたPCT出願を行いました。国内移行期限まで未だ1年以上ありますが、急いで中国での権利化を図りたいと思っています。日本への国内移行は30ヵ月直前に行いますが、先に中国への移行を行うことは可能でしょうか。

日本への国内移行前に他国への国内移行を行うことは可能です。しかし、必ずしも他国での権利が先に取れるという訳ではありません。

弊社はPCT出願の第1国出願を行いました。日本での権利化を早めたいので、30ヶ月を待たずに国内移行を行いたいと思います。30ヶ月期限前に日本での権利化を進めるには、どの様な手続が必要になりますか。

30ヶ月期限の前に日本国内での権利化を進めるには、(1)国内書面の提出、(2)国内手数料の納付、(3)出願審査請求を行う必要があります。出願審査請求書の提出を持って、日本での国内処理が開始します。
尚、日本での出願が実用新案登録出願の場合は、出願審査請求書の代わりに国内処理請求書を提出することにより、日本での国内処理が開始されます。

PCT出願を行ったところ、国際事務局より「手数料が少ない」と記載された補正命令が届きました。インターネットで出願したので金額は間違っていないと思っていました。不足分の手数料を納付する方法を教えてください。

手数料を正しい金額に補正する手続方法に関しては、国際出願手数料・調査手数料・送付手数料のうち、どの手数料が不足しているかを確認してください。また、PCT出願をオンラインで行う場合は、料金表が最新であることを確認してください。PCT関連手数料は、日本円とスイス・フラン間の為替レート変動に伴い、約2ヶ月から4ヶ月の間に1回程度のペースで更新されます。
調査手数料・送付手数料は特許印紙で納付します。一方、国際出願手数料が不足している(または支払われていない)場合の取り扱いは、国際出願の受理日によって異なります。
2015年3月31日以前に受理された国際特許出願に対する国際出願手数料については、不足金額をWIPOの口座に振り込む必要があります。
2015年4月1日以降に受理された国際特許出願は、口座振替の他、現金納付及び特許印紙による納付も可能です。

参考情報:インターネット出願ソフトのPCT関連手数料改定について
http://www.pcinfo.jpo.go.jp/site/4_news/1_important/info15.html
参考情報:PCT国際出願に係る特許庁への手数料納付手続の変更について
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/pct_fee_henkou.htm

日本で基礎出願を出願した後、優先権を主張したPCT出願をしました。PCT出願の願書には「日本国の指定を除外する」(日本特許はPCT経由で取得する)を選択しませんでした。しかし、出願後に、日本の出願を維持したいと言われました。このままでは、日本の基礎出願はみなし取下げとなってしまいますが、何とかなりませんか。

PCT出願時に日本国の指定を除外すると、日本出願は優先日(最初の出願日)から1年3月後に取り下げたものとみなされます(特42条)。日本の基礎出願を係属させるには、優先日から1年3月が経過するまでに、みなし取下げの回避手続を行う必要があります。
手続としては、(1)受理官庁に対して、国内優先権の主張を取り下げる趣旨の上申書を提出する、または(2)国際事務局または受理官庁に対し「指定国の指定取下書」を提出して日本の指定を取り下げる方法が挙げられます。
尚、今回のケースとは逆に、「日本国の指定を除外する」(日本特許出願を係属させる)を選択して出願した後で、日本国の指定をする(日本特許出願を取り下げる)ことは出来ません。この場合は、PCT出願を一旦取り下げた後、「日本国の指定を除外する」を選択せずに出願しなおす必要があります。

参考情報:PCTの手続を行う上での留意点等について(特許庁審査業務部国際出願課)
http://www.jpaa.or.jp/activity/publication/patent/patent-library/patent-lib/200901/jpaapatent200901_003-006.pdf

弊社では2015年6月にPCT出願を行いました。国内移行期限(30ヵ月)は2017年12月頃になりますが、PCT出願日から国内移行期限の間にPCTに加盟した国に国内移行手続を取ることは可能ですか。

PCT出願の国内移行は、国際出願日よりも前にPCTに加盟した国にのみ手続可能です。

参考情報:PCT加盟国一覧表
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/kokusai2.htm

国際予備審査(IPRP)とは、どの様な制度でしょうか。国際予備審査を請求しなくても国際予備報告は送付されると理解していますが、国際予備報告を請求するメリットは何ですか。

国際予備報告の制度及びメリットについてご説明します。
全ての国際出願(放棄・取下げられた出願を除く)は、国際調査機関によって国際調査報告(ISR)及び国際調査見解書(WOSA)が作成され、非公式コメントとして出願人及び指定国に送付されます。尚、国際予備報告(第1章)は30ヶ月期限の前に出願人及び指定国に送付されますが、内容はWOSAと同じです。
出願人はISR及びWOSAの送付から3ヶ月、または優先日から22ヶ月のいずれか遅く満了する期間までに、国際予備審査を請求することができます。また出願人は、WOSAの内容を踏まえて明細書・請求の範囲・図面の補正(34条補正)を行い、補正した内容の審査を受ける機会が与えられます。
国際予備審査は、国際出願段階で行った補正の内容が審査されるため、補正後のPCT出願が特許性を有しているかを確認することが可能となります。特許性に関する国際予備報告(第2章)は、出願人及び指定国に送付されます。指定国(特に途上国)は、審査の際に、補正後の特許性に関する国際予備報告(第2章)の内容を考慮することがあるため、国内移行後の審査がスムーズに進みます。

参考情報:PCT国際調査及び予備審査ハンドブック
https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/files_pct_handbook/all.pdf

PCT出願おいて、補充国際調査制度が開始したと聞きました。この制度について詳しく教えてください。

補充国際調査制度は、複数の国際調査機関の先行文献の調査を依頼することによって、国内段階で新たな先行技術文献が発見される可能性を減少させる制度として、2009年1月に開始されました。補充国際調査は、国際調査を行った機関とは別の機関が実施します。また、PCT出願後に行った補正は考慮されません。今のところ、日本特許庁では補充国際調査を行っておりません。

参考情報:平成21年1月に発効する特許協力条約規則(PCT規則)等の改正の概要
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/kokusai/pct_kisoku_h21.htm

発明を論文で発表した後、PCT出願を行いました。PCT出願が最初の特許出願となります。30か月が近付いてきましたので、日本へ国内移行を行いますが、この場合は日本特許法による新規性喪失例外の適用を受けることはできますか。

可能です。出願人は、日本の特許法による新規性喪失の例外の適用を受けPCT出願の国内移行を行う場合は、国内移行時の願書に、特記事項として「特許法第184条の14の規定により特許法第30条第1項の規定の適用を受けようとする特許出願」と記載します。
新規性喪失の例外の適用を受ける出願は、国内処理基準日(優先日から30か月目)から30日以内に新規性喪失の例外証明書を提出する必要があります。

外国語でPCT出願を行いました。日本で特許権を取りたいと考えています。国内書面の提出期限が迫っていますが、日本語に翻訳する時間がありません。どうすればよいですか?

PCT出願に関しては、最先の出願日(優先日)から30月以内に翻訳文を提出しなければなりませんが、国内書面の提出期間満了前2月から満了の日までの間に国内書面を提出したときは、国内書面の提出日から2月以内に翻訳文を提出することができます。(特許法184条の4)

弊社はPCT出願の出願人ですが、日本への国内移行期限の直前に手続担当者が交通事故による不在で、国内移行の手続を期限までに行えませんでした。この場合、国内移行を行う措置はありますか。手続が行えるのであれば、いつまでに行えばよいですか。

PCT出願の出願人は、国内移行期限までに書面を提出できなかったことについて、正当な理由があるときは、理由がなくなった日から2か月以内で、国内書面提出期間の1年以内に限り、国内書面を提出することが可能です(特許法第184条の4)正当な理由とは、突発的な病気や事故、天変地異などによる社屋の倒壊、システムの不具合などが挙げられます。今回のケース(手続担当者が交通事故)では、正当な理由があるとして救済措置が認められる可能性があります。
今回の場合は、治癒した日(書面を特許庁に出せる状態になった日)から2か月以内、かつ国内書面提出期限の1年以内に、国内書面を提出する必要があります。また、外国語での出願の場合は、国内書面提出時に翻訳文も提出する点に留意してください。

参考情報:期間徒過後の手続に関する救済規定に係るガイドライン(平成27年4月1日改訂版)
https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/kyusai_method/h27guideline.pdf

PCT出願を行った後、最初の出願日から30ヵ月以内に翻訳文を提出する必要があると聞きましたが、期限までに翻訳文が準備できそうにありません。30ヵ月の延長は可能でしょうか。

まず、欧州や韓国などは、国内期限が31ヵ月と、条約で定められた期限よりも長くなっております。また、出願人の故意ではない理由により30ヵ月の期限までに翻訳文を提出できなかった出願人に対する救済措置を設けている国もあります。

参考情報:世界知的所有権機関(WIPO)各国の国内移行期限の情報(英文)
http://www.wipo.int/pct/en/texts/time_limits.html

PCT出願中に19条補正・34条補正をしませんでしたが、日本に国内移行する段階で請求の範囲を補正したいと考えております。国内移行と同時に手続補正書を提出することは可能でしょうか。

PCT出願を日本語で行った場合は、国内書面を提出した後であれば、いつでも手続補正書を提出することが出来ます。
外国語のPCT出願については、国内処理基準日(優先日より30か月)が経過しており、かつ日本語の翻訳文を提出した後でなければ、手続補正書を提出することはできません。尚、翻訳文の提出期限が優先日よりも後になる場合は、翻訳文提出期限日の翌日から手続補正書が提出できます。但し、国内処理基準日よりも前に国内書面及び日本語の翻訳文を提出しており、かつ審査請求をしていれば、優先日より30か月を経過していなくても手続補正書を提出できます。

PCT出願を日本に国内移行した後、審査請求はいつまでに行えばよいですか。

日本に国内移行したPCT出願は、PCT出願日から3年以内に審査請求を行う必要があります。外国語のPCT出願は、審査請求の前に日本語の翻訳文を提出する必要があります。

Copyright (c) SUWAZAKA Patent & Trademark Office. All rights reserved.