知的財産制度Q&A



日用品を製造している中小企業です。実用化してみたい商品を作ったのですが、この場合は特許出願をした方が良いですか。それとも、実用新案登録出願の方が良いですか。
実用新案登録出願をするメリットを教えてください。

特許出願と実用新案登録出願とのうち、いずれかを選択するにあたり考慮する点は以下の通りです。

1.存続期間:特許出願の存続期間は、最大で出願から20年となります。一方、実用新案登録出願の場合の存続期間は、最大で出願から10年となります。もし、貴方の発明のライフサイクルが10年未満であると見込むのであれば、実用新案登録を取得した方が良い可能性もあります。
2.費用:特許出願から登録までに、約15万円から20万円の印紙代を特許庁に収めることになります。一方、実用新案登録出願の場合、出願から登録までに特許庁に収める費用は約5万円未満(出願費用、登録費用)となります。
3.審査:特許出願は、審査官による審査を経て登録となります。一方、実用新案は形式的な審査で登録されます。よって、明らかに特許にならない可能性の高い発明であれば、実用新案権を持っておき、実用新案権を利用した製品等に「実用新案登録済み」等と記載することによって、他人の模倣を防ぐことも可能です。

化合物を開発するベンチャー企業です。先日、化合物Aを発明しました。しかし、弊社の予算が厳しく、特許出願は断念しようと考えております。代わりに実用新案登録出願をしようかと考えております。権利化できますか。

実用新案制度の保護対象は、物品の形状、構造又は組合せに係る考案に限られております。従って、物品ではない化合物は保護対象とはなりません。同様の理由で、物の製造方法、コンピュータープログラム等も実用新案権を取得することは出来ません。

参考情報:特許・実用新案とは
http://www.jpo.go.jp/seido/s_tokkyo/chizai04.htm

弊社は、食器を製造する中小企業です。マグカップに関する実用新案権を持っております。マグカップの人気が高いので、権利の存続期間の長い特許にすればよかったと後悔しています。既に実用新案登録されたマグカップを、同じ内容で特許出願として再申請することは可能でしょうか。

既に実用新案権を取得しているということは、公報が発行されているため、考案(発明)は広く知られているため、同じ内容で特許出願しても特許になりません。
しかし、実用新案登録出願日から3年以内であれば、実用新案登録を特許出願に変更することができます。この場合、実用新案権を放棄する必要があります。また、実用新案登録の技術評価書(特許庁の審査官が新規性などを審査した内容を示す書面)を請求した場合など、一定の要件を満たしていない場合は、特許出願に変更することができないので、注意が必要です。

オルゴールの形状の実用新案登録を行いたいと考えています。実用新案登録料の支払方法について教えてください。

実用新案登録は、出願と同時に第1年分から3年分の登録料(年金)を納付します。

弊社は、内装工事をする中小企業です。内装用のパーティションに関する実用新案権で他社にライセンス中です。ライセンス料が長期間にわたって入ってくるように特許出願を考えています。どうしたらよいでしょうか。

実用新案権を維持しつつ、同じ製品に対する異なる範囲(発明)で特許出願を行うことがよいと思います。実用新案登録を特許出願に変更する際に、実用新案権を放棄することになります。このため、権利がなくなってしまえばライセンスが終了してしまいます。そこで、現状の実用新案権が公知であることを考慮して、異なる範囲で特許出願をすることも一案と考えられます。異なる範囲で特許出願できる発明がない場合には、既存の実用新案を活かし、特許出願を断念することも一案です。

参考情報:実用新案登録に基づく特許出願の審査基準
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/shinsa/pdf/shutugan_henkou_kaitei/
kijun01.pdf

健康サンダルを製造している中小企業です。弊社の製品は主に100円ショップなどで販売されています。この健康サンダルのつま先の部分に特徴があるため、販売開始前に実用新案権を取得しました。先日、弊社が製品を卸していないお店で、弊社のサンダルに酷似したサンダルを見つけました。そのため、他社のサンダルの販売を差し止めたいですがどうすればよいですか。

実用新案権は、特許庁の審査官による審査を経ずに登録されます。従って、権利を行使する(他社のサンダルの販売を差し止める等)には、特許庁の審査官による先行技術文献の調査結果が記載された「実用新案技術評価書」を請求し、実用新案技術評価書を提示して権利行使する必要があります。また「実用新案技術評価書」を請求しても、貴社にとって不利となる先行技術文献が記載されている場合は、権利行使ができません。

参考情報:「実用新案技術評価書の作成」の改訂審査基準
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/shinsa/pdf/jituyoushinan_kaitei/
jituyou_honbun.pdf

請求項が7項の実用新案登録出願を行った後、手続補正書によって請求項を2項削除しました。実用新案登録出願なので、出願時に1年度から3年度の登録料を納付していますが、削除した請求項(2項)分の登録料の返還請求を行うことは可能ですか。

実用新案の登録料(1年度から3年度の登録料)を納付してから1年以内であれば、削除した請求項分の登録料の返還を請求することが出来ます。詳しくは、「過誤納等の手数料又は特許料の返還についての取扱い」をご覧ください。

参考情報:過誤納等の手数料又は特許料の返還についての取扱い
http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/binran_mokuji/07_15.pdf

これまでに無かった形状のアクセサリを販売しようと考えており、模倣されないために特許出願をしました。拒絶理由通知には対応したのですが、拒絶査定が来たので特許化は断念しようと思います。とりあえず権利を取りたいのですが、今の時点で特許出願を実用新案に変更することは可能ですか。それとも、実用新案として出願しなおさないといけないのでしょうか。

特許出願を実用登録出願に変更することは可能です。ただし、出願を変更できる期間は特許出願の拒絶査定が送達されてから3ヶ月を経過するまで、又は特許出願日から9年6ヶ月が経過するまでです(実用新案法第10条)。変更出願が出来る期間を渡過している場合は、実用新案登録出願を新たに出しなおす必要があります。実用新案は無審査で登録されます。ただし、前述のとおり拒絶査定となっているので、権利としては不安定である点にご留意ください。

外国語でPCT出願を行いました。日本では実用新案権を取りたいと考えています。国内書面の提出期限が迫っていますが、日本語に翻訳する時間がありません。どうすればよいですか?

PCT出願に関しては、特許と同様に、最先の出願日(優先日)から30月以内に翻訳文を提出しなければなりませんが、国内書面の提出期間満了前2月から満了の日までの間に国内書面を提出したときは、国内書面の提出から2月以内に翻訳文を提出することができます。(実用新案法48条の4)

弊社は外国でPCT出願を行いました。日本で早く実用新案権を取りたいので、30ヶ月を待たずに国内移行を行いたいと思います。30ヶ月期限前に日本での権利化を進めるには、どの様な手続が必要になりますか。

30ヶ月期限の前に日本で実用新案権の登録を受けるには、(1)国内書面の提出、(2)日本の出願手数料及び登録料の納付、(3)外国語の場合は翻訳文、(4)国内処理請求書を提出する必要があります。

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