知的財産制度Q&A



米国(アメリカ合衆国)の特許法の条文について、詳しく調べたいのですがどうすればよいでしょうか。

米国の特許法の条文は、日本特許庁のHPに掲載されています。尚、米国では2011年に法改正がありました。改正された条文(リーヒ・スミス米国発明法)の翻訳は特許庁のHPで公開されています。

参考情報:アメリカ合衆国 リーヒ・スミス米国発明法
http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/pdf/us/leahy_smith.pdf

日本出願を基礎としてパリ条約ルートでアメリカへの特許出願を行いたいと考えています。アメリカにはいつまでに特許申請する必要があるのかを教えて下さい。

日本での出願日から12ヵ月以内であれば、日本の特許出願を基礎としてアメリカへの特許出願を行うことが可能です。

日本出願を基礎とした優先権主張を伴って、米国特許庁に日本語の仮出願をすることは認められますか。

優先期限(日本特許出願から12ヶ月)が迫っているにもかかわらず特許出願の英訳が完了していない場合は、日本語のまま米国特許出願することができます。日本語の米国特許出願に対して補正指令が出ますので、その際に翻訳文を提出すれば足ります。

電子機器を扱うベンチャー企業です。弊社製品の特許に関する出願を1年2か月前に行いました。日本での出願公開は未だされておりません。この特許出願を今から米国に行うことは可能ですか。

日本での出願から1年が経過しているため、日本の出願日を優先日とする優先権主張はできません。しかし、日本での出願公開前(出願日から18か月)までに米国特許出願すれば、新規性が喪失しません。このため米国特許出願が特許される可能性があります。

参考情報:グレースピリオド(特許庁ホームページより)
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/21_san03.htm

医療を扱うベンチャー企業です。発明を日本で学会論文によって発表し、学会発表から5ヵ月後に日本特許庁に特許出願しました。この発明を米国でも特許出願しようと検討しておりますが、米国でも新規性を失ったものとみなされずに出願する方法はありますか。

米国特許制度では、米国特許出願の1年前から出願日までの間に、その発明が開示された場合であれば、猶予期間(グレースピリオド)として認められ、特許を受けることができます。このため日本で論文発表してから1年以内に米国特許出願すれば、新規性を失いません。

参考情報:グレースピリオド(特許庁ホームページより)
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/21_san03.htm

半導体製造装置を扱う中堅企業です。日本特許庁に特許出願してから1年7か月が経過しました。先日、公開公報も発行されました。この特許出願を今から米国に行うことは可能ですか。

米国特許法第102条(b)は、発明者等から直接的または間接的に発明の内容を取得した者が「公表(Publicly Disclosed)」する場合に新規性喪失の例外の適用を受けることができると規定しています。出願人は、外国で発行された公報は、発明者から直接または間接的に発明の内容を取得した者による行為であると主張できます。出願の際に宣誓書を提出すれば、新規性が無いとした拒絶を回避できると思われます。

医療機器を製造する中小企業です。弊社製品の特許出願が日本で1年前に特許されました。日本でその特許製品の売れ行きが好調なので、その特許製品を米国で流通させる予定です。これから特許出願を行いたいのですが、いつぐらいに米国特許を取得できますか。

特許出願は、米国特許制度に基づいて審査されます。米国特許出願の審査を行う際、新規性(公知技術と同じか否か)又は自明性(進歩性:容易に発明が想到できるか否か)が審査官によって審査されます。
ご質問の場合では、1年前に日本で特許公報が発行されているため、発明は公知になっております。従って、米国で出願しても、米国で特許を得ることはできません。

電気部品を製造する中小企業です。米国で特許出願を行うことになりました。ところで、米国では最初に発明した人が特許を取得する権利があると聞いたことがあります。発明日はどうやって証明すれば良いのでしょうか。

これまで米国は「先発明主義」という、最初に発明した人に特許を付与する制度を取っておりました。しかし、2011年の法改正によって、最初に出願した人に特許を付与する制度(先願主義)に移行しました。このため、発明日を証明する必要はありません。

参考情報:「先願主義」と「先発明主義」の情報 (特許庁ホームページより)
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/21_san01.htm

ITを扱うベンチャー企業です。日本の特許出願を基礎とし、米国特許出願する予定です。米国特許出願の手続きを行うためには、発明者による署名が必要な書類があると聞いております。しかし、発明者の1人が突然退職してしまい、連絡も取れなくなっております。どのような対応策がありますか。

米国特許出願するにあたって、発明者全員が署名した宣誓書の提出が必要となります。しかし、2012年の法改正によって、一定の状況下(発明者の死亡や法的無能力状態、サインの拒否など)においては、出願人が代替供述書(Substitute Statement)を提出することにより、宣誓書を省略することができます。

参考情報:日本弁理士会 国際活動センター
http://www.jpaa.or.jp/about_us/organization/affiliation/kokusai/gaikokujouhou/
report/usa/pdf/US_PatentRegulationRule.pdf

現在、弊社でアメリカ出願を行う準備をしております。発明者には宣誓書に署名してもらう必要がありますが、発明者の1人が海外に長期出張中です。出願期限が迫っているので、とりあえず先に出願を済ませてしまいたいのですが、宣誓書を後から補充することはできますか。

2011年に米国特許法が改正され、2012年9月16日に施行されました。宣誓書の取り扱いは、アメリカでの出願日によって異なります。アメリカでの最初の出願日が2012年9月15日よりも前である場合は、施行前の法律が適用されます。出願時に宣誓書を提出していない場合は、USPTOから通知を受け取ってから所定の期間内に宣誓書を提出する必要があります。アメリカでの最初の出願日が2012年9月16日以降であれば、特許発行手数料を支払う前までに宣誓書を提出すればよいこととなります。

アメリカではこれまで発明者が出願人になる必要がありましたが、2012年の法改正により、アメリカでも譲受人(企業等)が出願人となれると聞きました。今後は、発明者が出願人ではなくても、宣誓書など、発明者の署名が必要な書類を提出する必要がありますか。

2012年の法改正によって、アメリカでも譲受人が出願をできるようになりましたが、宣誓書等の書面は、引き続き提出する必要があります。

バイオ関連のベンチャー企業です。日本国内の開発者が、日本語で発明提案書を提出してきました。発明提案書には、十分な実施例の開示がありますが特許請求の範囲は記載されていません。米国に日本語のまま米国特許出願は可能でしょうか。

米国では、特許請求の範囲や宣誓書を提出しなくても出願ができる、仮出願という制度があります。仮出願制度は、日本語での出願も可能です。出願日を競合他社より早く得る手段として有効です。

参考情報:米国の仮出願制度
http://iprsupport-jpo.go.jp/miniguide/pdf2/USA.pdf

 弊社の特許出願Aを基礎とし、アメリカにパリ優先を伴う外国出願Bを行う予定です。
 ところで、日本の特許請求の範囲は、以下の様になっております。
 「(請求項2)…を含む請求項1に記載の…」
 「(請求項3)…を含む請求項1又は請求項2に記載の…」
 「(請求項4)…を含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の…」
 このような請求項の形式でアメリカに出願しても問題ないですか。

アメリカでは、いわゆるマルチクレイム(質問の請求項3)は認められます。しかし、USPTOに対する追加手数料(400USD)が出願時に発生します。マルチクレイムに従属するマルチクレイム(質問の請求項4)は認められておらず、拒絶理由となります。従って、請求項4をマルチクレイムである請求項3に従属させることはできません。

米国で特許出願された発明は公開されるのでしょうか。また、どの様な形態で公開されるのでしょうか。

米国への特許出願は、出願日から18か月が経過した後に公開されます。また、日本の基礎出願がある場合は、日本出願から18か月後に公開されます。公開された特許出願は、米国特許商標庁(USPTO)のホームページから閲覧できます。

参考情報:米国特許商標庁
http://patft.uspto.gov/

日本特許出願を基礎出願とし、米国特許出願した案件がまだ米国特許庁で審査中です。日本特許庁から、上記日本特許出願に対して、引用された引用文献により「発明に新規性が無い」と記載された拒絶理由通知書が届きました。拒絶理由の内容を米国にも報告した方が良いのでしょうか。

米国特許制度は、情報開示義務(Information Disclosure Statement:IDS)という、出願人や発明者、及びその代理人が、発明に関する先行技術文献を知っている場合に、その文献を米国特許商標庁に対して開示する義務を負う制度を有しています。日本特許出願で引用された引用文献は、米国特許庁に開示する必要があります。

参考情報:米国の情報開示義務の制度
http://iprsupport-jpo.go.jp/miniguide/pdf2/USA.pdf

国際特許出願を行い、国際段階で請求の範囲を補正しました。これから、この国際特許出願の国内手続を米国に対して行う予定です。国際段階で補正する前の請求の範囲の翻訳文も提出が必要でしょうか。

国際特許出願の国内移行を米国に対して行う場合は、国際段階で補正する前の請求の範囲の翻訳文、及び国際段階で補正した後の請求の範囲の翻訳文の両方が必要となります。

弊社の製品Aについて米国特許出願中です。一度目のオフィスアクションの後、最後のオフィスアクション(Final Office Action)が出ました。最後のオフィスアクションで補正を行うと、一切審査されずにアドバイサリ通知が出ることは分かっています。しかし、オフィスアクションの内容から見ると、クレイムを補正せざるを得ない状況です。継続審査請求(RCE)を行うことになるとお金がかかるので回避したいのですが、何とかなりませんか。

USPTOでは、2013年5月19日から「AFCPプログラム Ver. 2.0」が開始されました。このプログラムを利用するには、1.出願人が申請手続きをすること、2.独立請求項が補正されること、3.補正後のクレイムに特許性が無い場合はインタビューを実施されること、の3点が定められております。これらの手続によって、特許性を認められれば許可され、特許性が否定されたらアドバイザリ通知が出ます。

AFCPプログラム Ver. 2.0はパイロット運用されており、2016年9月30日には終了する予定です。しかし、審査官及び出願人などのフィードバックによっては、正式プログラムとして採用される可能性があります。

参考情報:USPTO、最終拒絶後の審査官の判断時間を増加させるプログラムを改善
https://www.jetro.go.jp/world/n_america/us/ip/pdf/20130521.pdf

日本で特許出願Aをした後、優先権を主張してアメリカで特許出願Bをしました。出願Bから1年後、出願A及びBの追加発明A-1を発明しました。日本では国内優先権主張期間が過ぎているので、特許発明A-1の出願は見送るつもりです。アメリカでは出願Bが公開されていますが、追加発明A-1を出願することは可能ですか。

アメリカの出願Bが審査または審判に係属中であれば、一部継続出願(Continuation-In-Part Application)を提出し、CIP出願に新規事項(発明A-1)を加えることが可能です。一部継続出願を行った場合であっても、最初の出願は維持されますが、最初の出願を係属する必要が無ければ放置することも可能です。
 CIP出願では、原出願の出願日が維持されます。ただし、CIP出願において新たに加えた内容については、CIP出願日を基準に新規性などが判断されます。

日本では、特許査定を受けた後3年分の特許料を支払い、その後は毎年、年金を支払っています。初めて得た米国特許権は、権利になってから約2年8ヶ月経過しています。米国の維持年金の納付期限は、いつ到来するのですか。また、年金を米国に直接納付することは可能ですか。

米国特許権の維持年金は、特許になってから3年後、7年後、11年後の3回に分けて支払うことになります。年金納付手続は、特許権者が米国特許商標庁に直接納付することも可能です。

参考情報:米国特許商標庁(USPTO)の料金情報
http://www.uspto.gov/about/offices/cfo/finance/fees.jsp

米国特許権の存続期間について教えてください。

1995年6月8日以降の出願であれば、米国での出願日から20年となります。分割出願・継続出願・一部継続出願については、20年の起算日は「基礎出願(親出願)の出願日」となります。また、国際特許出願(PCT出願)を基にした米国特許であれば、20年の起算日は「国際特許出願日」となります。

弊社は、従業員30名のベンチャー企業です。日本特許に関しては、特許料の減免制度の適用を受けており、その減免された特許料(年金)を支払っています。また弊社は、約3年前に米国特許権を取得しました。そろそろ維持年金の納付期限となりますが、年金の減免などの制度はあるのでしょうか。

米国では、大企業の料金体系(Large Entity)とは別に、中小企業や個人の料金体系(Small Entity)があります。貴社は、500名以下の会社であるためSmall Entityが適用され、維持年金を含めた米国特許商標庁への費用は、Large Entityの料金体系の半額となります。
さらに、Small Entityを満たす者のうち、さらに一定の要件を満たす者は、Micro Entityの料金体系(Large Entityの料金体系から75%減額)を適用出来ます。

参考情報:USPTO Fee Schedule
http://www.uspto.gov/learning-and-resources/fees-and-payment/uspto-fee-schedule

アメリカでは、特許権者の規模によって特許費用の料金体系が異なると聞いた事がありますが、料金体系はどのように確認すればよいですか。

アメリカでは、1) Large Entity(大規模企業)、2) Small Entity(小規模企業)、3) Micro Entity(極小規模企業)の3種類の料金体系が設けられています。
出願人が従業員500名以下の企業であれば、Small Entityとしての出願が可能となります。さらに、Small Entityの権利を満たし、かつ、アメリカへの出願件数が5件未満であり、出願人の総収入がアメリカの平均世帯年収の3倍を超えない範囲であり、アメリカの平均世帯年収の3倍を超える収入がある団体へ特許を譲渡等していないこと等を要件とし、出願人はMicro Entityとして出願が行えます。
Small Entityを満たさない権利者は、Large Entity(大規模企業)となります。

アメリカのSmall Entity、Micro Entity制度は、商標にも適用されますか。

減免制度は特許(デザイン特許を含む)に適用されます。商標には適用されません。

アメリカの当事者系レビューについて教えてください。

当事者系レビュー(IPR)とは、2011年の法改正(America Invents Act, AIA)で加わった、特許無効を申し立てるための制度です。
無効理由は、特許の新規性違反(102条)及び自明性違反(103条)にのみに限られ、さらに無効にするための資料も特許公報・刊行物に基づく申立のみ認められています。

IPRの申立人は、
i) 申立人の適格性を明らかにする必要があり、
ii)対象とする各請求項について、請求項の解釈を示す必要があり、
iii) 特許要件を満たさない理由を、具体的に説明する必要があり、
iv) 根拠となる証拠を提出し、さらに根拠となる証拠との関連性を説明する必要があります。

参考情報:
http://www.itopto.com/blog/?p=1491

米国特許の経過情報について教えて下さい。

特許の経過情報は、米国特許商標庁ホームページ(http://www.uspto.gov/)から確認がとれます。
  1.「特許商標庁HP」⇒「Patents」⇒「Check Status」をクリック
  2.「Public PAIR」をクリック
  3.空欄に表示された“文字”を入力する。
  4.「Patent Number」をチェックし、空欄に「特許番号」を入力する。
  5.当該案件の書誌事項等「経過情報」
  6.A:Application Date
   B:Transaction History
  C:Image File Wrapper
  D:Patent Term Adjustments
   E:Continuity Date
   F:Fees
    f-1;Retrieve Fees to Pay
    f-2;Get Bibliographic Date
    f-3;View Payment Windows
   G:Published Documents
   H:Address & Attorney /Agent

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